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小野久留美
現在は東京を拠点に活動しているアーティスト。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズのファイン・アート学部を2019年に卒業。 英国ロンドンのテート・モダンでの展示やロシアソチのハイアットリージェンシーホテルでのBRIDGE展に招聘されるなど、学部在学中より世界中でアート展示を行う。 「万物は流転する」と、今から約2500年前のギリシャを生きた哲学者ヘラクレイトスが 言ったように、この世界の全てのものは常に変化し続けている。全ての生き物はいつか土 に還り、形のあるものはいつか必ず崩れ、変質する。しかし人類は、この「流転」に抗い たいという願望、「何かを永遠に留めておきたい」という願望をずっと抱いてきた。この ような無常さと叶うことのない保存への憧れに興味を持ち制作を開始。人々の無常観と保 存への憧れの二面性を表現するため、「写真を紙に印刷し土に埋める」という手法を使い 作品を制作している。土中の水分と菌類によって「写真」は分解され形を変えていく。流 転する世界のいち場面を切り取ったはずの「写真」が、脆い紙の上で、変わってしまう。 流転に抗う保存への憧憬とは一見真逆に思える行為から脆弱性と儚さが生まれ、そこから 人類が留めておきたい、と強く願った本質的であり永続的でもある美しさが生まれるので はないだろうか。
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